「共同墓地にあるお墓どうしよう?」
「集落にあるお墓を閉じたい」
「田舎の村にあるお墓、困った」
実家の共同墓地にあるお墓を墓じまいしたいけど、どうすれば良いのか悩んでる方のギモンにお答えします。
集落のはずれにぽつんとあるお墓って、誰に相談すれば良いのかわかりませんよね。
実家が遠ければ中々行けないし、周りにも迷惑をかけっぱなしでどうにかしたいと思うのは誰しも同じです。
そこで、共同墓地の墓じまいの手続きや流れをわかりやすく紹介します。
- 共同墓地の墓じまいの手続きや流れについて
- 共同墓地における所有者や管理者の確認方法
- みなし墓地の法律的な扱いとその影響
- 墓じまい時の費用やトラブルの対処法
【共同墓地】墓じまいの手続きと流れ
- 共同墓地とは?その特徴を紹介
- 一般的な墓じまいの流れ
- 共同墓地の墓じまいの流れ
共同墓地とは?その特徴を紹介
共同墓地とはお寺とか霊園が管理している墓地ではなく、集落の近くにある墓地です。
共同墓地の特徴は7つあります。
- 集落墓地、村墓地とも言われる
- 共同で管理
- 法律上の扱われ方-みなし墓
- 墓地の所有者や管理者が不明
- 使用料や管理料が不明
- 区画があいまい
- みなし墓地に永代供養はない
① 集落墓地、村墓地とも言われる
共同墓地は、集落や村の共同体が管理する墓地であり、「集落墓地」や「村墓地」とも呼ばれます。
このような墓地は、古くからの習慣に基づいて存在しており、村や集落の共同体意識を反映しています。
近年では、過疎化や少子高齢化の影響で、これらの共同墓地の管理が難しくなっているケースも増えています。
たとえば、山間部にある村々では、若い世代が都市部に移住して、放置されてしまう墓地が増加しているというNHKニュースもあります。
② 共同で管理
共同墓地は、個人墓地とは違い、地域社会やお墓の所有者たちが共同で管理する墓地です。
この形式は、村や集落が一つの共同体として機能していた時代に、各家庭が協力して墓地を管理するという伝統的な形態に由来しています.
なので、お寺とか檀家制度は関係ないです。
共同墓地では、墓地の維持や清掃、管理を地域の住民が分担して行うことが一般的です。
しかし、上述したように管理が十分に行き届かないケースが増えています。
③ 法律上の扱われ方-みなし墓地
共同墓地の多くは、現行の法律「墓埋法(昭和23年)」が施行される以前から存在しており、「みなし墓地」として法律上扱われています。
昭和23年以前からある墓地は、正式な許可を受けなくても、許可をうけたものとみなされているという意味です。
というのも、昭和23年以前には墓地を立てる場所に規制はなく、個人の家や村のはずれにまとめて立てていたんです。
村のはずれや住民たちによって決められた場所にまとめて立てられてる墓地が、共同墓地です。
みなし墓と言っても墓地台帳に登録されてるケースも有り、普通の墓じまいと同じ手順が必要です。
④ 墓地の所有者や管理者が不明
共同墓地の大きな課題の一つは、墓地の所有者や管理者が不明であるケースが多い点です。
特に、古くから存在する共同墓地では、長年にわたり管理者が曖昧になっています。
墓じまいや新たに埋葬するときには、管理者のサインや押印が必要になりますので、墓じまいの手続きがなかなか進まないケースが報告されています。
共同墓地での墓じまいを検討する際には、まず所有者や管理者の確認を優先し、その後の手続きを円滑に進める準備が必要です。
詳しくはこちら⇒管理者がわからない時
⑤ 使用料や管理料が不明
共同墓地では、使用料や管理料が明確に設定されていなかったり、あいまいな場合が多いです。
特に、古くから続く共同墓地では、使用料が口頭で伝えられるだけで、正式な契約書が存在しないところもあります。
なので、管理者が見つかったとしても、管理料などが未払いで追加費用を請求される可能性もあります。
まずは管理者を探して、今までのお礼を伝えるとともに、使用料や管理料についての確認を行うのが大切です。
⑥ 区画があいまい
共同墓地のもう一つの特徴として、墓地内の区画があいまいな点が挙げられます。
これは、墓地の歴史的背景や、地域社会の連携による管理が主な原因です。
区画が明確に区分されていないため、墓石の撤去のときに問題が起きたり、隣接する墓地との間で土地の所有権を巡る争い生じる可能性もあります。
共同墓地での墓じまいを検討する際には、隣接する墓地とのトラブルを未然に防ぐための準備が必要です。
⑦ みなし墓地に永代供養はない
共同墓地や集落墓地には、霊園やお寺が提供しているような「永代供養墓」はほとんどありません。
永代供養とは、お寺や霊園などの墓地管理者が遺族に代わって長期間にわたり供養を行うサービスです。
共同墓地は、近所に住む住民が共同して管理してるため、長期的な供養を引き継ぐ仕組みがないからです。
墓じまいを行う際には他の場所に移して、永代供養する方法を検討する必要があります。
一般的な墓じまいの流れ
墓じまいの一般的な流れは次の流れです。
- 墓じまいの意思決定
- 親族の同意を得る
- 墓地管理者への連絡
- 石材店の選定
- 必要な書類の準備
- 墓石撤去と工事
- 改葬先での納骨と法要
- 墓じまい後の対応
墓じまいの意思決定の中には、改葬先の選択も含まれます。
改葬先を決めなければ遺骨を取出せないので、「お墓を閉じて、どこに持っていくのか?」を一番はじめに決めなければいけません。
それに対して、周囲の同意や墓地管理者の了承を得て、石材店と契約して遺骨を取り出して墓石を撤去するのが一般的な流れです。
共同墓地の墓じまいの流れ
共同墓地と普通の墓地の大きな違いは、次の2つです。
- 所有者や管理者がわからないのが多い
- お寺や檀家制度には縛られない
このことから、共同墓地の墓じまいの流れは普通の墓地とはちょっと違います。
- 新しい供養先を決める
- 所有者を調べる
- 管理者を調べる
- 役所に相談
- 改葬許可証をもらう
- 閉眼供養
- 墓石撤去
- 新しい供養先へ
新しい供養先を決める
墓じまいしたあとの供養先をまず決めます。
供養先の候補としては次のようなものがあります。
- 一般墓 100万円~
- 納骨堂 50万円~
- 合祀墓 5万円~
- 樹木葬 10万円~
- 散骨 5万円~
金額は1人分です。先祖代々の遺骨があれば、あらかじめ調査してから、どの供養方法にするのか考えてみましょう。
所有者を調べる
新しい供養方法が決まったら、現在の墓地所有者を調べます。
あなたが所有者だとわかっているなら問題ないですが、わからないときには親戚中に聞いてみたほうが良いです。
というのも、共同墓地や個人墓地の所有者はそのお墓の祭祀承継者なので、墓じまいの決定権はその人にあるからです。
祭祀承継者の意思を無視した墓じまいはしてはいけませんし、あなたは何も考えずに、お墓は祭祀承継者に任せておけば大丈夫です。
管理者を調べる
次に共同墓地の管理者を調べる必要があります。
改葬許可証を取得する際に、墓地管理者のサインと押印が必要になるからです。
どうやっても管理者が不明な場合、まずは役所に相談してどうすれば墓じまいできるのかを相談します。
役所に相談
所有者や管理者の調査をしながら、役所に相談しましょう。
役所では、必要な書類の取得方法や改葬許可証の発行手続き、墓じまいに関する法的アドバイスを提供してくれます。
所有者や管理者がどうしてもわからないときには、役所では墓地管理組合の結成を推奨されるはずです。
管理者に町会長や自治会長などになってもらえば、墓じまいをスムーズに進められます。
改葬許可証をもらう
墓じまいを行うには、改葬許可証を役所から取得する必要があります。
役所のHPより申請書をダウンロードして次の内容を記入します。
- 遺骨の氏名・性別
- 住所・本籍
- 亡くなった日
- 現在の埋葬場所
- 改葬理由、改葬先
- 申請者の氏名、住所、続柄
現在の墓地管理者のサイン、押印を申請書にもらったら、改葬先の受入証明書をもらって、両方とも役所に提出します。
2週間ほどで、改葬許可証が発行されます。
閉眼供養
墓じまいの際には、僧侶による閉眼供養(魂抜き)が必要です。
その地域で供養してくれるお寺に閉眼供養を頼みます。
同時に石材店とも契約して、墓石撤去の日にちを決定します。
石材店はその地区の有力な石材店や、町会長から教えてもらった石材店から相見積もりを取って決めましょう。
墓石撤去
閉眼供養が終わった後、墓石の撤去が行われます。
遺骨を取り出したあとに墓石は撤去されて、更地にしてもらいます。
石材店と契約するときには、あとから追加費用を取られないように、下見をしっかりしてもらってから見積もりしてもらいましょう。
新しい供養先へ
墓じまいの最後のステップとして、遺骨を新しい供養先に移します。
新しくお墓を建てるのでしたら、開眼供養が必要ですし、納骨法要が必要な場合もあるかもしれません。
たとえ永代供養だとしても、ご先祖様の供養を忘れないのがとても大切になります。
【共同墓地】墓じまいの注意点
- 費用の内訳と相場
- 費用を抑える方法
- 管理者が不明な場合の対処法
- 遺骨の柱数が不明
- 【共同墓地】よくあるトラブルと回避策
- おすすめの代行業者3選
費用の内訳と相場
墓じまいにかかる費用は、普通の墓地の墓じまいの金額とほぼ同じです。
- 手続費用 ~1万円
- 閉眼供養 3万円~
- 墓石撤去費用 10万円/㎡~
- 開眼供養 3万円~
- 供養先 5万円~
違うのは、離檀料があるかどうかです。
一般的な共同墓地には檀家制度のようなものはないので、離檀料は発生しません。
なので、お墓の大きさや新しい供養先によりますが、トータルで20万円~200万円くらいと考えておけばいいです。
費用を抑える方法
共同墓地の墓じまいの費用を抑えるためには、2つのポイントを押さえることが重要です。
- 石材店の費用
- 新しい供養先の費用
まず、複数の石材店や代行業者から相見積もりを取ることで、費用を抑えられます。
また、遺骨を移す新しい供養先を選ぶときにコスパを考えれば、費用を抑えられます。
一般的な供養方法と金額がこちらです。
- 一般墓 100万円~
- 納骨堂 50万円~
- 合祀墓 5万円~
- 樹木葬 10万円~
- 散骨 5万円~
合祀墓が一番安く、お墓を新たに立てるのが一番高くなります。
管理者が不明な場合の対処法
どうしても管理者が不明な場合には、役所に相談します。
対応は地域によって変わってきますが、主に次の2つです。
- 個人墓地とみなして同様の手順で墓じまいできる
- 墓地管理組合を結成して墓じまいする
個人墓地とみなして墓じまいするときには、墓地管理者の埋葬証明は不要になります。
ボチ管理組合を結成するときには、町会長や自治会長にトップに墓地管理者になってもらい墓じまいします。
いずれにせよ、管理者が不明な共同墓地や集落墓地での墓じまいは、役所の指示のもとに進めるのが重要です。
遺骨の柱数が不明
共同墓地において、遺骨の柱数はとても大切になってきます。
というのも、新しい供養先では、遺骨の柱数によって金額が変わってくるからです。
遺骨の状態によってもやらないといけない工程が増えますので、あらかじめ調査してもらうのがたいせつになります。
例えば、ある先祖代々のお墓では、18人以上の遺骨が入ってると書かれているため、1,000万円以上の費用がかかると言われてしまったケースがあります。
墓じまいを始めてからではシャレにならないので、一番はじめに調査するのが大切になります。
【共同墓地】墓じまいでよくあるトラブルと回避策
共同墓地の墓じまいでは、普通の墓地とは違ったさまざまなトラブルが発生します。
特に、管理者や所有者が不明な共同墓地が多いのがネックになるのが多いです。
具体的なトラブルを紹介します。
トラブル1: 管理者や所有者が不明
ストーリー
Aさん一家は、祖父母の代から続く集落墓地に家族の墓を持っていました。
しかし、村を離れて数十年が経ち、家族全員が都市部に移り住んだことで、墓地の管理者との連絡が途絶えていました。
墓じまいを決意したAさんは、墓地の所有者や管理者を探そうとしましたが、連絡先はわからず、手がかりが全くありませんでした。
役所に問い合わせても情報が得られず、手続きが滞り、不安が募りました。
トラブル2: 親族間の意見の相違
ストーリー
Bさんは、自分が高齢になり、遠方の集落墓地にある家族の墓を管理するのが難しくなったため、墓じまいを考えていました。
しかし、兄弟や親戚に相談したところ、「ご先祖様をないがしろにするのか」「費用の負担はどうするんだ」と反対意見が続出しました。
特に、兄が墓じまいに強く反対し、家族内で深刻な対立が生じました。
トラブル3: 費用負担の不透明さ
ストーリー
Cさんは、故郷の集落墓地にある祖父母の墓を墓じまいしようと考えました。
しかし、見積もりを取ってみると、最初に提示された金額よりも大幅に高くなっていました。墓石の撤去費用や遺骨の移転費用など、細かい費用が積み重なり、総額が予想を超えてしまいました。
しかも、当初予期していなかった追加費用が次々と発生し、山田さんは頭を抱えました。
トラブル4: 遺骨の柱数が不明
ストーリー
Dさんは、祖先代々の墓を墓じまいし、新しい霊園に移そうと考えました。
墓石を開けてみると、想定以上に多くの遺骨が見つかり、対応に困りました。
遺骨の柱数が不明だったため、どの遺骨が誰のものなのかがわからず、親族間で混乱が生じました。
トラブル5: 墓地の区画や境界が曖昧
ストーリー
Eさんは、祖父母の墓じまいを行うため、石材店に依頼して墓石の撤去を始めました。
しかし、隣接する墓地との境界が曖昧だったため、隣の墓の所有者から「勝手に私の墓地を壊した」と抗議を受けました。
境界線がはっきりしていなかったことが原因で、作業が中断し、トラブルが長期化してしまいました。
墓じまいの代行業者に依頼していれば、こういった悩みや問題も相談して墓じまいを進められます。
おすすめの代行業者を紹介します。
おすすめの代行業者3選
墓じまいするときのおすすめの代行業者を3社紹介します。
所有者や管理者がわからないときにも、一度相談されるのをおすすめします。
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まとめ:共同墓地の墓じまいの手続きや流れ。所有者・管理者の確認から永代供養まで
この記事のまとめです。
- 共同墓地はお寺や霊園が管理する墓地ではない
- 集落や村が共同で管理する墓地を指す
- 共同墓地は「集落墓地」「村墓地」とも呼ばれる
- 共同墓地の管理が難しくなっている地域が多い
- 共同墓地は地域の共同体意識を反映している
- 過疎化や少子高齢化で放置される墓地が増加中
- 管理が行き届かないケースが増えている
- 共同墓地はみなし墓地として法律上扱われる
- みなし墓地は昭和23年以前から存在する墓地
- みなし墓地でも普通の墓じまい手順が必要
- 共同墓地では所有者や管理者が不明な場合が多い
- 墓じまいの際、管理者の確認が最優先となる
- 使用料や管理料が不明確な場合が多い
- 管理者が見つかっても未払いの可能性がある
- 共同墓地は区画が曖昧である場合が多い
- 墓石撤去時に隣接する墓地とのトラブルが発生しやすい
- 共同墓地には永代供養墓がほとんど存在しない
- 永代供養を希望する場合は別の場所への改葬が必要
- 役所に相談することで墓じまいがスムーズに進む
最後まで読んでいただきありがとうございました!
厚労省:墓地、埋葬等に関する法律の概要