「跡継ぎがいない墓、どうしよう？」

「子供がいないけど、お墓が・・・」

「永代供養ってどうすれば？」

跡継ぎがいない場合、親のお墓の管理や供養について悩む方は多いです。

「娘しかいない家庭」「子供がいない場合」など、次世代に引き継ぐ人がいないと、だれでもお墓をどうすべきか頭を悩ませるはずです。

特に、「嫁いだ娘は実家の墓に入れる？」という疑問や、お墓を放置した際のリスクを考えると、早めに「親の墓を永代供養」にするのが推奨されます。

この記事では、跡継ぎがいない場合の永代供養や散骨について詳しく解説します。

跡継ぎがいない墓は永代供養か散骨がおすすめ

跡継ぎがいない親の墓はどうなる？

親のお墓に、あなたの後の跡継ぎがいない場合、いずれ無縁墓になります。

無縁墓となった場合のほとんどは、霊園や墓地管理者により撤去されてしまいます。

管理料が入ってこないので、霊園もお寺も撤去して新たに墓地として販売して使用料や管理料を得るのが当たり前だからです。

親の墓を適切に供養するためにも、跡継ぎがいない場合は、墓じまいや永代供養を早めに検討するのが推奨されます。

無視してお墓を放置するとどうなる？

無視してお墓を放置すると、無縁墓になり誰も管理しないので、墓地全体の景観や管理にも悪影響が及びます。

無縁墓の問題は社会的に大きくなっており、2022年の調査では、全国の無縁墓改葬は約3千件を超えています。

墓地の管理者も、無縁墓と判断してもすぐには撤去できません。

こういった手間や時間が必要ですし、そもそも撤去工事や更地化には10万円/㎡ものお金がかかります。

墓地管理者に迷惑がかかるのももちろんですが、子孫や縁故者が判明したら、撤去費用や損害賠償を起こされる可能性もあります。

多くの人に迷惑をかけ、あとから恨まれないように、お墓を放置せず、早めに適切な対策を取るのが大事です。

跡継ぎがいない場合、墓じまいした後の選択肢は2つ

跡継ぎがいない場合、お墓を放置せずに墓じまいをしたほうが良いです。

墓じまいしたときに一番問題になるのは、お墓に入ってる遺骨ををどうするのか？です。

主な選択肢は2つです。

永代供養とは

永代供養は、現在墓守りをしているあなたの代わりに、霊園や寺院が遺骨の管理を引き継ぎ、供養も代行してくれる方法です。

通常なら管理料とかその時々の法要にお布施を払ってお坊さんに供養をお願いしていますよね。

そういった費用をまとめた永代供養料を初めに払って、なにも言われなくても供養していってもらえるありがたいものです。

ただし、一定期間（30年とか）供養した後に、合祀される所も多いのでしっかり調べるのが大切です。

永代供養の種類と費用

永代供養には大きく分けて4つの種類があります。

永代供養付き一般墓

いわゆる永代供養付き一般墓は、従来のお墓と同様に新しく墓石を建てて供養する方法です。

永代使用料、永代供養料、管理料、墓石代などがかかるので、100万円以上かかるお墓がほとんどです。

しかも、その場合のお墓は一人用、もしくは夫婦ふたり用の小さなもので、先祖や子孫を入れるのは不可です。

さらに、一定期間（30年とか）経つと合祀されるものがほとんどで、永遠にそのお墓で供養されるようなものはないです。

永代供養付き一般墓は、現在お墓をもっておらず、自分が亡くなった時の準備として考えてる方の需要が多いです。

永代供養付き納骨堂

納骨堂は室内にある施設で、骨壺を置いておくロッカー型の納骨スペースがあるものです。

天候に左右されず、管理がしやすいのが特徴です。

ただし、納骨堂の永代供養の場合、一定期間（30年とか）経つと合祀されるものがほとんどです。

費用は地域やお寺によって様々ですが、50万円以上が相場です。

お墓のような暗いところではなく、お寺の中で毎日お経を聞けるような場所に安置できるので、子孫がいる方たちにも人気が出てきています。

もちろん、納骨スペースが有れば子孫たちも利用可能です。

合祀墓

合祀墓は、他の遺骨と同じお墓に一緒に埋葬される形式で、費用が最も安いことが特徴です。

供養や管理は全て霊園や寺院が行い、霊園や寺院が続く限りずっと供養されます。

合祀墓の費用は約5万円～/1体が相場ですが、遺骨が他の遺骨と混じるため、後から個別に取り出すことはできません。

跡継ぎがいないお墓には一番適しています。

樹木葬

樹木葬は、墓石の代わりに樹木をシンボルとするお墓で、自然に還る供養方法として人気があります。

個別埋葬型と合祀型があり、合祀型の場合は遺骨を二度と取出せませんが、ずっと供養し続けてもらえます。

費用は2～3万円くらいからあり、これから増えていく供養方法と言えます。

参考：樹木葬は危険？

永代供養に向いてる人は？

永代供養は、跡継ぎがいない人や子供が遠方に住んでいてお墓の管理が難しい人に向いています。

また、家族にお墓の維持費や面倒の負担をさせたくない人にもおすすめです。

親や先祖代々の遺骨だけでなく、自分の分も遺言として永代供養を望んでおけば、とても精神的に楽になります。

永代供養のメリット・デメリット

永代供養の最大のメリットは、跡継ぎがいない場合でも霊園や寺院が永続的に供養や管理を行ってくれるところです。

これにより、遺族になんの心配もなく、遺骨が適切に供養され続けます。

また、費用があらかじめ決まっているため、予測しやすく、長期的に経済的な負担が少なくなります。

一方、デメリットとしては、個別に埋葬された遺骨が一定期間後に合祀されるところが多く、一度合祀されると遺骨を取り出せなくなります。

残された人が手を合わせる対象がないとか、心の拠り所がなくなるといった声もあがっています。

とはいえ、永代供養は跡継ぎがいないお墓には非常に有効な供養方法で、お寺や霊園にこれからのことを安心してまかせられます。

散骨とは？

跡継ぎがないお墓に向いている供養方法のもう一つは、散骨です。

散骨は、遺骨を自然に還す供養方法で、特に海や山に遺骨をまく方法が一般的です。

遺骨を管理する必要がないため、管理費用もかからず、自然葬を望む人に適しています。

PRTIMESというニュースサイトでは、海洋葬件数推移の調査が載っていました。

散骨の種類

散骨にはまく場所によっていくつかの種類があります。

遺骨は「墓地、埋葬等に関する法律（昭和23年）」で、埋葬するのは墓地だと決められていて、「埋葬しないといけない」とは書かれていません。

なので、散骨できる場所はとても限られていますが、一応容認されています。

そんな中で海洋散骨は業者も多く、多くの人に人気の散骨になっています。

参考：散骨はよくない？

散骨に向いてる人は？

散骨は、自然に還りたいと願う人や、お墓を建てたくないと考える人に向いています。

また、跡継ぎがないお墓を持っていて、先祖の遺骨や自分たちの分をどうしようか悩んでる方にもおすすめです。

古いお墓を墓じまいして、「自分がなくなったら散骨してくれ」と遺言を残す方もかなり増えてきています。

散骨にはお寺はあまり関係ないので、精神的に楽だというのがあるのかもしれません。

散骨のメリット・デメリット

散骨の最大のメリットは、費用が安く、墓地の管理や維持が不要な点です。

さらに、自然に還るというシンプルな供養方法を選ぶことで、遺族の心理的な負担も軽減されます。

特に、故人の生前の希望を尊重する形で、自然の中で静かに眠れる点が多くの人々に支持されています。

しかし、デメリットとして、遺骨が手元に残らないことや、後からお墓参りができないことがあります。

お墓の跡継ぎや近い親戚がいない方や、子孫にお墓を残したくない人に向いています。

跡継ぎがいない墓は永代供養：永代供養の方法

跡継ぎがいない場合、永代供養は現実的かつ安心できる供養方法です。

ここでは、永代供養を進める具体的な方法について説明します。

永代供養の基本的な仕組み

永代供養は、個人や家族に代わって、霊園や寺院が供養や管理を永続的に行ってくれるシステムです。

跡継ぎがいない人にとっては、将来にわたって供養が続く安心感があります。

永代供養にかかる費用は次の通りです。

基本的には、使用料と永代供養料を支払えば、永代供養をしてもらえます。

永代供養する流れ

墓じまいから永代供養をする基本的な流れは次の通りです。

1. 家族や親族との相談
2. 供養先の決定
3. 墓じまい（必要に応じて）
4. 納骨や供養の実施

この流れをしっかりと踏むことで、スムーズに永代供養を進めることができます​

家族や親族との相談

まずいちばん大切なのは、家族や親族との相談です。

特に、先祖代々のお墓を撤去したり、供養の形を変える場合、全員に納得してもらう必要があります。

跡継ぎのいないお墓の存続は誰しもムリだとわかってもらえますが、どういう形で永代供養するのか、それとも散骨するのか、それぞれの意見があるはずです。

墓じまいから永代供養の費用も含めて、関係する人全員で話し合いをしましょう。

もしも、その中でお墓の面倒を見て貰える人がいたら、その人に祭祀承継者になってもらえばいいです。

永代供養先の決定

次に重要なのは、永代供養を行う霊園や寺院を選ぶ話し合いです。

供養先は、遺族が訪れやすい場所や、費用面を考慮して選ぶのが一般的です。

もしも話し合う遺族がいないときには、あなたの一存で決められます。

費用や供養方法、やるべき内容をしっかりと吟味して、新しい永代供養先を選びましょう。

管理者（霊園・お寺）への相談

永代供養先を選んだら、今あるお墓の墓地管理者に、しっかりと事前確認するのが大事です。

今お墓があるお寺や霊園に相談すれば、もしかしたらもっと良い永代供養の方法を紹介してくれるかもしれません。

ムダなお金と労力をかけずに問題が解決する可能性もあります。

また、新しい永代供養先の墓地管理者にも、状態を話して費用や方法を確認しておきましょう。

実際に話してみると、思っていたのと違う場合がありますので、何度も話し合う必要があります。

石材店との相談

今あるお墓の墓地管理者と、あたらしい永代供養先の墓地管理者に話がついたら、石材店を探します。

今あるお墓には指定石材店があるかもしれませんし、お寺の知り合いがいるかもしれないので、まずはお寺から紹介してもらいます。

一般的な墓石の撤去費用は10万円/㎡です。

複数の石材店から相見積もりを取るのも大事ですし、高額だったらお寺に相談するのもアリです。

実際に下見してもらって、なるべく安くしてもらうのが大切です。

その際には、お墓の中を下調べしてもらいましょう。次の改葬許可申請に必要です。

改葬許可証の取得

墓じまいをして遺骨を他の場所に移す場合、自治体から改葬許可証を取得する必要があります。

石材店に代行してもらったり、墓じまいの代行業者を使うととても楽です。

⇒ おすすめの代行業者

ご自身でやるときの手続きはこちらです。

1つの遺骨に1枚の許可申請が必要な自治体が多いです。10人分あれば10枚必要です。

土葬された遺骨がでてきたら火葬が必要ですし、水や泥で汚れていたら洗骨が必要です。

⇒ ミキワの粉骨・散骨サービス

墓石の撤去

改葬許可申請がおりたら、墓石の撤去工事をします。

工事の前には、お寺の僧侶に頼んで閉眼供養をします。お布施は3万円くらい。

墓石を処分してもらい、墓地を更地に戻してもらえば墓じまいは終了です。

取り出した遺骨はきれいにして、あたらしい永代供養先に運びます。

もっとくわしい墓じまいのやり方はこちら ⇒ 墓じまいのやり方

永代供養先へ納骨

墓じまいが完了した後、遺骨を永代供養先に納骨します。

霊園や寺院によっては、個別に安置する期間を設けた後、合祀される場合もあります。

納骨は霊園や寺院のスタッフが行うため、遺族が手を煩わせることはありません。

一番初めに親族や墓地管理者（お寺や霊園）としっかり打ち合わせしておけば、実際の墓じまいと永代供養先への納骨はスムーズに行えるはずです。

永代供養で注意するべき点

永代供養を選ぶ際には、いくつかの重要な点に注意が必要です。

宗派の確認

永代供養墓を選ぶ際、宗教や宗派が決まってる場合があります。

ほとんどが無宗教型ですが、事前に霊園や寺院の方針を確認しておくひつようがあります。

遺骨の柱数

永代供養先に納める遺骨の数にも制限がある場合があります。

たとえば、永代供養付きの一般墓は一人用が多いですし、樹木葬にしても二人までとか決められています。

複数の遺骨を一緒に安置したい場合は、事前に施設のルールを確認しましょう。

さらに、遺骨の数によって金額も変わります。3万円と言われていても、10人分あったら30万円にもなってしまいます。

入れられる人数と金額をしっかりと確認しておきましょう。

娘しかいない家の墓は？

娘しかいない家でも、永代供養は有効な選択肢です。

現代では嫁いだ娘が墓の管理をするケースも増えていますが、義理の実家の墓もある場合も多いです。

そのため、永代供養を選んだり、親戚にお墓を譲る家庭も多くなっています。

子供がいない場合は？

子供がいない場合、永代供養は最も適した供養方法の一つです。

跡継ぎがいない場合、通常の墓を維持することが難しいので永代供養が安心です。

子供がいない場合、体がしっかりと動くうちに、早めの永代供養の検討が好ましいです。

というのも、「墓じまいしよう！」と思っても、最低でも1年くらいはかかってしまうからです。

嫁いだ娘は実家の墓に入れる？

嫁いだ娘が実家の墓に入ることは、法律的には何の問題もありません。

しかし、家族や親族の意向や地域の慣習によって、複雑な問題が生じるケースが多いです。

というのも、嫁いだ娘だけの問題ではなく、夫や子供、義理の親戚などの気持ちが関係してくるからです。

嫁いだ娘であっても、家族の理解と同意があれば、実家の墓に入ることができるので、早めに適切な話し合いをするのが大切です。

参考： 嫁に行っても実家の墓に入れる？

おすすめの代行業者3選

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まとめ：跡継ぎがいない墓はどうする？永代供養や散骨で安心の供養を実現する方法

この記事のまとめです。