【墓じまいの服装】失敗しないための選び方とネクタイなどの小物選び

「墓じまいの服装はどうすれば？」

「墓じまいに何を着れば？」

「喪服なの？平服なの？」

墓じまいのときに、どのような服装をすればいいのか悩んでる方にお答えします。

墓じまいを行う際、どのような服装をすればよいのか悩まれる方は少なくありません。

特に女性や参列者として呼ばれた場合、平服でよいのか、ネクタイを着用すべきなのかなど、さまざまな疑問が浮かびます。

閉眼供養や墓石工事などの場面によって変わってきますので、服装はもちろん、包んで行くお金「お供え」などの基本的なマナーを押さえておきましょう。

この記事では、墓じまいの様々なシーンに適した服装の選び方やポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

参考：墓じまいの方法

墓じまいの服装の基本マナー

行う儀式の内容で変わる

墓じまいの主催者の服装は、行う儀式の内容で大きく異なります。

行事	慶弔	服装
閉眼供養	弔事	準喪服
撤去工事	弔事	略式礼装
開眼供養	慶事	準礼服
納骨式	弔事	準喪服

準喪服とは、結婚式やお葬式に参列する時に着ていく喪服とか礼服といわれるもので、略式礼装は簡単に言えばダーク系のスーツも含まれるものです。

法要（閉眼供養や開眼供養、納骨式）と撤去工事の服装の違いは、僧侶が来るか来ないかで、僧侶が来る場合はかならず準喪服になります。

主催者の服装は、僧侶が来れば準喪服、来なければ平服（略式礼装）になります。

参列する側は、平服（略式礼装、略喪服＝ダーク系スーツ）でも良いとされています。

平服と略式喪服と喪服の違いは？

平服、略式喪服、喪服など、いろいろな名前がでてきましたが、大きく分けて喪服は3種類です。

人やサイトによって分け方が違いますが、一応下記のような感じだと思ってください。

正喪服

代表的な男性の正喪服は、昼間に着用するモーニングコートと夕方から着用する燕尾服やタキシード、五つ紋付羽織袴などです。

正式には、喪主や親族など葬儀の主催者側が着用するものです。

ただ最近では、葬儀や法事の簡略化がすすんできているので、正喪服を着ている人はあまり見かけません。

女性の正礼装は黒無地のアフタヌーンドレス、イブニングドレス、黒無地の染め抜き五つ紋付きなどです。

準喪服

男性の準礼装とは、昼間はディレクターズ、夜はタキシードで主賓格の礼装でしたが、いまでは昔からあるブラックスーツ（いわゆる喪服）も準礼装と言われています。

男性は上下とも黒で無地の白シャツ、黒のネクタイです

女性の準礼装はブラックフォーマルと呼ばれるものです。

略喪服

準喪服よりも格が下がるもので、「平服」とも呼ばれます。

男性の略礼服は、ブラックや紺、グレーなどのダーク系のビジネススーツに白いシャツで、地味目のネクタイです。

女性の略礼服は、地味なダークスーツ、ワンピース、アンサンブルです。

閉眼供養（魂抜き）に着ていく服装【男性・女性・子ども別】

閉眼供養は僧侶にお経をあげてもらい、お墓の魂を抜いて「ただの石」に戻す厳粛な儀式です。

そのため、服装も礼儀をわきまえたものが求められます。

カラフルな服装や派手な服装、靴、アクセサリーは、絶対にNGです。

男性の服装

主催者側の男性は「準喪服」が一般的です。いわゆる黒の喪服で、ネクタイも黒で、ネクタイピンはしません。

一方、呼ばれて参列する側の男性は、準喪服か略喪服（平服）になります。

具体的には、黒や濃紺のスーツに白いYシャツ、黒いネクタイを合わせます。ネクタイピンはなしで。

靴は黒い革靴を履き、派手な装飾があるものは避けましょう。時計やアクセサリーはできる限り控えます。

女性の服装

主催者側の女性も男性同様に準喪服が求められます。

ブラックフォーマルの服装で、アクセサリーはパールです。

呼ばれて参列する側の女性は略喪服でもOKで、黒や濃紺のワンピースやスーツを選び、光沢のない素材を選びます。

ストッキングは透け感のある黒が基本で、靴はつま先が隠れた黒いパンプスを履きましょう。

パールの一連ネックレスなど、アクセサリーは控えめなものを選びます。

子どもの服装

子どもは、中学生以上であれば制服が準喪服相当になります。

小学生以下であれば白いシャツに黒や濃紺のシンプルなズボン、靴を用意します。

ただし、チェック柄や派手な色の制服の場合、白シャツにダーク系のスボンにします。

墓石撤去工事だけのときの服装

墓石の撤去工事だけを行う場合、僧侶は来ないので、主催者側も略喪服で大丈夫です。

ただ、工事だけだからと言って普段着はNGで、ダークカラーの落ち着いたスーツを選びます。

参列に呼ばれたら、同様に略喪服でいきましょう。事前に施主に聞いておくのも大事です。

男性の服装

男性は、黒やグレー、ネイビーなどのダークトーンのスーツが推奨されます。

もしくは、ビジネスカジュアルのような装いで、落ち着いた色味のシャツとスラックス、黒や濃紺のジャケットなどで、ノーネクタイでも可能です。

靴は動きやすい革靴やダークカラーのスニーカーで問題ありません。

女性の服装

女性もダークカラーのシンプルなワンピースや、カジュアルなジャケットに黒やネイビーのパンツを合わせるスタイルが良いでしょう。

スカートを履く場合は、膝下丈のものを選び、動きやすさを優先します。

墓地は道が悪いところもありますので、ヒールではなくダークカラーのフラットシューズやスニーカーがおすすめです。

子どもの服装

子どもの服装は、動きやすく汚れても問題ないものを選びます。

黒や濃紺のTシャツやズボンなど、落ち着いた色合いであれば問題ありません。

特に小さな子どもは、アクティブに動くことが多いため、履き慣れたスニーカーや運動靴が安心です。

開眼供養（お墓を建てた時）の服装

開眼供養は新しいお墓を建立した際に行う儀式で、閉眼供養とは違い「慶事」にあたります。

しかし、落ち着いた服装が求められる点では同じです。

新しいお墓の前で行う儀式であるため、参加者全員が相応しい服装を心がけましょう。

男性の服装

男性は、黒の略礼服に白いシャツ、白いネクタイが基本です。

ネクタイは白やシルバー系が推奨されますが、特に派手な柄のものは避け、シンプルなデザインを選びます。

また、靴は黒い革靴で、光沢のないシンプルなものが適しています。

女性の服装

女性の場合は、黒やネイビーのワンピースやアンサンブルが適切です。

開眼供養は慶事であるため、喪服ではなく、落ち着いた色の略式礼装を選びましょう。

アクセサリーは控えめなパールのネックレスなどが好まれ、靴は黒のシンプルなパンプスが一般的です。

子どもの服装

子どもが参加する場合、中高生であれば学校の制服を着用するのが無難です。

制服がない場合や小学生以下の子どもは、落ち着いた色の服装を選びましょう。

特に、動きやすい服装であっても、派手なデザインや色は避け、黒やネイビー、グレーなどのシンプルな服装が好ましいです。

続いて納骨式がおこわなれるときは略喪服

続いて納骨式が行われるときには、弔事になるので建碑（けんぴ）式から略喪服を着るのがマナーです。

慶事と弔事が重なるときには、弔事が優先されるからです。

なので、墓じまいしてもってきた遺骨を、開眼供養してから納骨するときには準喪服を着ます。

参列者に服装を伝えておく

墓じまいを行う時には、参加してもらう人たちに服装を事前にお知らせしておくのが大切です。

高齢者が多いときには、「普通の喪服で結構です」といった感じでわかりやすく伝えます。

というのも「平服」「準喪服」と伝えても相手がわからないからです。

具体的な服装の指示を出すのは、当日「自分だけ服装が違う」といった不安や恥をかかせないためです。

また「ダークカラーのスーツ」や「動きやすい靴」などの具体例を添えても、持ってる持ってないがありますし、喪服にしておけばお互いに楽です。

着てはいけないNGな服装

墓じまいの場面では、派手な服装やカジュアルすぎる服装はNGです。

特に閉眼供養や開眼供養では、厳粛な雰囲気にふさわしくない服装はマナー違反となります。

例えば、次のような服装は避けるべきです。

動物の毛皮を使った服や革製品は、仏教的な意味合いから避けるべきと言われていて、供養などではタブーとされています。

参列者として呼ばれたら？

参列者として墓じまいに呼ばれた場合、まずは主催者からどのような服装でいけば良いのかを確認しましょう。

基本的には「平服」つまり略喪服（ダーク系のスーツ）とされる場合が多いですが、主催者から聞いた服装を選ぶのが大切です。

一番まずいのは、施主（祭祀承継者）よりも格が高い服装にしてしまうことです。

事前に服装の詳細を確認し、場にふさわしい服装で参加しましょう。

墓じまいの服装に適したアイテム

墓じまいでの靴選びのポイント

墓じまいでは、足元も重要なポイントです。

特にお墓が山の上や舗装されていない場所にある場合、靴選びを誤ると怪我や転倒のリスクがあります。

基本的に、動きやすさと安全性を重視しながらも、フォーマルさを保つことが必要です。

男性の靴選び

男性の場合は、黒やダークブラウンの革靴が一般的です。

ただし、墓地が足場の悪い場所にある場合は、しっかりとしたソールのものを選ぶと良いでしょう。

靴が汚れることが予想される場合は、専用のクリーナーやダスターを準備しておくと便利です。

女性の靴選び

女性の場合も、フォーマルな黒い靴が基本です。

ただし、ヒールの高い靴やオープントゥの靴は避けましょう。ヒールが高いと、墓地までの道で歩きにくくなるだけでなく、地面にヒールが埋まってしまうときもあります。

パンプスやフラットシューズ、もしくはしっかりとしたソールの靴を選び、歩きやすさを確保しましょう。

子どもの靴選び

子供の靴は、ダーク系のスニーカーなど、歩きやすいものでOKです。

避けるべき靴

全体として避けるべき靴としては、カジュアルすぎるスニーカーやサンダル、派手なデザインの靴などがあります。

基本的につま先が見えたり、露出が多めの靴はNGです。

フォーマルな場であることを考慮し、落ち着いたデザインでしっかりと歩ける靴を選ぶことが大切です。

ネクタイ、アクセサリー、小物のポイント

墓じまいでは、ネクタイやアクセサリー、小物も控えめなものを選ぶことが重要です。

派手な装飾やきらびやかなデザインは、厳粛な場にはふさわしくありません。

ネクタイ

墓じまいのときの準喪服のネクタイは黒、略喪服（平服）のネクタイは黒を含むダーク系です。

ネクタイピンはつけません。

新しくお墓を建てた時に行われる建碑式には、慶事なので白のネクタイをしていきます。

ネクタイピンはパールなどのシンプルなものをします。

アクセサリー

男性の基本は、アクセサリーなしです。カフスやネクタイピンはつけません。

女性の場合は、パールの一連のネックレスや、パールのピアス・イヤリングなど、シンプルなものが適しています。

金や銀の装飾は避け、光沢を抑えたものが好ましく、ブレスレットや大ぶりの指輪など、音が出やすいものや目立つものは避けます。

小物

ハンカチは、ロゴや装飾がなく、黒や白のシンプルなデザインを選びます。

革製のバッグは不可で、黒い布製で光沢のないものを選びます。

小物においても、場にふさわしい控えめなものを選ぶことが、マナーの基本です。

天候や季節に応じた服装の調整方法

墓じまいの日は天候によって服装を調整することが重要です。

気温や天候の変化に対応できるよう、事前に準備を整えておきましょう。

真夏のような暑い日の対策

暑い日には、熱中症対策が必須です。たとえ厳粛な場であっても、体調を崩しては本末転倒です。

男性は通気性の良い薄手のシャツやスラックスを選び、上着やネクタイを省略することも可能です。

女性は通気性の良いワンピースやブラウスで対応し、脱いだり着たりできるように準備します。ただし、露出が多すぎる服装はNGです。

女性の場合、黒色の日傘をもっていくのも忘れないようにしましょう。

真冬の寒い日の対策

寒い日には、コートやジャケット、マフラー、手袋などの防寒対策をしっかり行います。

ただ防寒具の色は黒やグレーなどの落ち着いた色で揃え、毛皮や革製のものは避けます。

主催者はホッカイロなどの体を温めるものを参列者用に用意するのもお忘れなく。

雨の日の対策

雨の日には傘を用意するのも忘れてはいけません。

傘も黒や濃い色の無地の傘やビニール傘を準備し、カラフルな色は避けるようにします。

また雨天時は足元が滑りやすくなるので、滑りにくい靴底のものを選ぶのもポイントです。

台風など、災害につながるような天候のときには、延期するのもひとつの方法です。固執せずに臨機応変に対応しましょう。

案内状にもしっかり書くのが大事！

墓じまいに親族や参列者を呼ぶ際には、事前に案内状を送ります。

その際には、日程や場所だけでなく、服装や持ち物の案内を明確に伝えることがマナーです。

例えば、「平服でお越しください」や「お足元が悪い場所ですので、歩きやすい靴でお越しください」といった具体的な指示を添えると、参列者も迷わず準備ができます。

ただし、平服と言ってもわからない人も多いので、案内状を出すともに電話で連絡しておくのを忘れないようにしましょう。

親戚として呼ばれたら、お金はいくら包む？＜お供え＞

閉眼供養などの墓じまいに、親戚として呼ばれたら、「香典」とかではなく「お供え」としてお金を包んでいきます。

「お供え」の金額は、親戚としての関わりあい方や地域性、法要の内容にもよりますが、一般的に5千円～1万円です。

渡すタイミングは、墓じまいを主催する人と挨拶したときです。

白黒で結び切りの水引がついた不祝儀袋を使い、表書きは「お供え」「御供物料」などと、濃墨で書きます。

コンビニで売ってる印刷された不祝儀袋でも大丈夫です。

参考：僧侶に渡すお布施は？

よくある質問

墓じまいの服装に関するよくある質問です。

Q1：墓じまいには必ず喪服を着るべきですか？

墓じまいでは、必ずしも喪服を着用する必要はありません。閉眼供養など僧侶が立ち会う場合は、準喪服が推奨されますが、法要がない場合は平服（ダーク系のスーツ）でも問題ありません。参列者が多い場合は、事前に服装を相談しておくと安心です。⇒ 墓じまいの服装

Q2：子どもが参列する場合、どんな服装が適切ですか？

子どもが参列する際は、派手な色やデザインの服装を避け、落ち着いた色の服を選びましょう。学校指定の制服がある場合は、それが最適です。制服がない場合は、地味な色のスーツやワンピース、シャツとパンツの組み合わせが適しています。⇒ 子どもの服装

Q3：夏の暑い時期の墓じまいには、どのような服装をすればよいですか？

暑い季節には、通気性の良い素材でできた涼しい服装を心掛けることが大切です。男性なら半袖のワイシャツや通気性のあるスラックス、女性なら軽めのワンピースやブラウスがおすすめです。涼しさを保ちながらも、肌の露出は控えめにするのがマナーです。⇒ 真夏の服装

Q4：冬の寒い日に参加する場合、コートやマフラーを使ってもよいですか？

冬場は防寒対策を優先させて問題ありません。黒やグレーなどの落ち着いた色のコートやマフラーを着用し、体を冷やさないようにしましょう。毛皮や革製品は避け、シンプルでフォーマルな防寒具を選ぶことがポイントです。⇒ 冬の服装

Q5：靴はどんなものを選べばよいですか？

靴は、フォーマルであると同時に歩きやすいものを選ぶことが大切です。男性は黒い革靴、女性は黒系のパンプスやフラットシューズがおすすめです。墓地の場所によっては足場が悪い場合もあるため、ヒールが高すぎたり、滑りやすい靴は避けるようにしましょう。⇒ 墓じまいの靴

参考：墓じまいのやり方

まとめ：墓じまいの服装ガイド

この記事のまとめです。